もうひとつスサノヲの乱暴ぶりが紹介されています。これは高天原からの追放が決まってから付け足しのように書かれているのですが、オホゲツ姫殺害です。
スサノヲはオホゲツ姫に食べ物をもらいにゆきます。彼女は身体から食べ物をつくり出す能力を持つ神ですから、鼻・口・尻から食べ物を作り出したのです。
それを見たスサノヲは、食べ物を汚していると錯覚して斬り殺してしまいます。彼女の死体からは蚕や穀物の種が生まれ、スサノヲが殺したことが農業に貢献したことになりますから、単に彼の乱暴ぶりを描いているとは言い切れません。
しかし彼が神様を殺したとして明記しておりますから、ここでも紹介はしておきます。
スサノヲの乱暴狼藉の表現は以上です。
この程度のことで「史上最高に荒々しい神」と言えるのでしょうか?スサノヲは驚くほど荒々しい行為をした訳でもないのに、古事記は彼をそのように受け止められるよう表現しなければならなかったのではないでしょうか。
さらに言うなら『スサノヲを忌み嫌われるような悪者に仕立て上げたかった=事実は逆で、誰からも慕われる英雄だったから、後世に本当の姿を伝えたくなかった』とすら考えられます。
では何故本当の姿を伝えたくなかったのか?
これについては「国譲り」が終わってから書きます。