オオクニヌシ「因幡の白兎」【3】

大国主の兄弟達つまり出雲部族の若者達が、稲羽(いなば・因幡)のヤガミ姫との結婚を望んで稲羽に出かけたのです。
その時オオナムチ(後の大国主)は、荷物持ちとして連れて行かれました。

出雲の若者達がヤガミ姫との結婚を望んだのは、なぜでしょう?
古事記はその理由を書いていません。

ヤガミ姫の住む稲羽は、出雲から170キロも離れた土地です。1日40キロ歩いたとしても4日以上かかります。道が整備されていない古代のことですから、6~7日はかかったでしょう。

そんな遠方の娘との結婚を望むということは、彼女は余程魅力的だったはずです。因幡地方には「彼女は絶世の美女だった」との話が伝わっています。

既に権力を手に入れた者は「より美しい」女性を手に入れようとしますが、無名の若者にその選択肢はなかったはずです。
無名で権力を求める若者が最優先するのは、今も昔も「権力への近道」です。

ヤガミ姫は「絶世の美女」だったかもしれませんが、彼女との結婚は「権力への近道」だったと考える方が自然ではないでしょうか。

…つづく

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