オオクニヌシ「八十神の迫害」【4】

問題は「木国(きのくに)」大屋毘古(おおやびこ)です。

まず木国ですが、一般的には紀伊国(和歌山県)と解釈されています。

そして大屋毘古ですが、この神は林業の神様で、スサノヲの息子である五十猛(いたける)と同一神とされています。

スサノヲの息子がなぜ和歌山にいるのか?
その理由は記されてはいません。

それは兎も角、最も一般的な解釈は、「スサノヲの弟がいる和歌山方面に逃がした」となります。

ところがそこも発見されてしまいます。
鳥取県の上石見から400キロ近く離れた紀伊国へも追っ手は迫ったのです。

つまりオオナムチがまだ生きていると知った八十神達は、再度刺客を放ったのです。

刺客はオオナムチの足跡を辿り、潜伏先を発見したことになります。
そして矢を構えて「オオナムチを引き渡せ」と大屋毘古に要求します。

離れた紀伊国にいるとはいえ、大屋毘古は出雲の最高権力者の息子です。そのような人物に、出雲の若者が弓を向けたのでしょうか?

この記述から判断する限りでは、スサノヲは出雲を完全掌握していないことになります。

それはそうとして、大屋毘古はオオナムチに「スサノヲのいる根の堅州国(かたすくに)に行け、その大神がいいように取り計らってくれるだろう」言い、木の股をくぐって逃げさせます。

このあとは「根の国訪問」となります。

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