次にアメノワカヒコが交渉人として派遣されます。
彼も出雲に同化しますが、大国主とタギリ姫の娘であるシタテル姫の夫としてです。しかもそれによって大国主の後継者になろうとの野心があったとされています。
その上、伝令である雉の鳴き女を殺した事に拠ってか、タカミムスヒ(高木の神)の手で殺されます。
アメノホヒは優遇され、アメノワカヒコは冷遇された。
この差は、ワカヒコが仲間の血を流したということより、例え高天原の者が王になったとしても、出雲族による支配体制存続を是とするか否とするか、だったのではないでしょうか。
出雲族による支配体制とは、スサノヲが造りあげた体制です。
全国制覇を狙う高天原勢力としては、全ての既存秩序を廃し、自らが創り出した秩序に統一しようと考えていたと思われます。
ですから例え部分的であっても旧体制を継続しようとする者は抹殺しなければならなかったのでしょう。
…つづく