来年訪れる古事記編纂1300年とは、『大和地方に根付いた権力により改ざんされた、その権力出現以前の日本各地の歴史』を『再考せよ』と、八百万の神々から我々に与えられた機会なのではないでしょうか。
私は「八百万の神々」とは、ヤマト勢力による統一以前に、日本各地(主に西日本)に割拠していた部族の祖神(=祖先)であると考えています。
古代、各地に血族を中心としたいくつもの集団が点在しており、その地の『風土』に合った生活を営んでいたはずです。
彼らは生活の中から、自らの力ではどうすることもできない『風土(=自然)』を畏れ敬うようになり、『風土』と共に生きることを学んだのでしょう。
長い年月により『風土』の変化に対する学習をしたはずです。
それは年長者から後継者へ伝えられ、年長者より更に年長者、つまり祖先が敬われるようになったのではないでしょうか。
彼らが『神』という概念を持っていたかどうか分かりませんが、自分達の力を越えたもの、或いは自分達に様々な知恵を与えるものに対して、『気持ちを伝える』『教えを請う』行為がパターン化され、今で言う宗教的行動になるのは自然です。
…つづく