日本最古の災害報告書は、日本書紀
『無常観』の傑作としては「平家物語」も有名ですが、これは自然が相手ではなく人の営みに対してですから、災害で思い浮かぶものではありません。
実は、災害を記した最古の書物は『日本書紀』です。
巻第29天武天皇(下)の13年(西暦684)冬10月14日に、大地震に関する記述があります。その部分を掲載します。
【資料1】「白鳳地震(日本書紀より)」
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この地震は「白鳳地震」といわれるものですが、研究調査により南海・東海・東南海地震が連動したと推定されているそうです。
最近「最大220兆円の被害を及ぼす地震が、近い将来発生するかも知れない」と発表されましたが、古事記完成より28年前にそのレベルの大地震が発生していたのです。
しかもその時の状況が、記録として残されているのです。
天武天皇は、天体・気象に対して大きな関心を寄せていたようです。
観測所まで作っています。
ですから天武期には、他の天皇期に比べて天体・気象に関する記述が異常に多いのです。
天体・気象部分だけを抜粋した表を掲載しますのでご覧下さい。
【資料2】「天武天皇期の自然現象に関する記述(日本書紀より)」
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・・・つづく