古事記に登場する神々の謎【4】天之常立神、国之常立神、豊雲野神

前回の宇摩志阿斯訶備比古遅神に続いて登場するのは、

(5)天之常立神(あめのとこたちのかみ)

五番目に登場する神で、「天(てん)」の根元(こんげん)とか永続性を神格化したと解釈されています。

ですからこの神は「高天原」「葦原中国」に共通する神のようです。

最初に現れた三柱の神同様、宇摩志阿斯訶備比古遅神と、この天之常立神も『「独神(ひとりがみ)』で『身を隠したまひき』と説明し、以上五柱の神を「別天つ神(ことあまつかみ)」と特記しています。

「別天つ神」とは、高天原でも特別の神ということのようです。

このあと更に以下二柱の「独神」が現れ、『身を隠したまひき』となりますが、先の五柱の神とは身分が異なるようなので、番号表記を漢数字に改めます。

(一)国之常立神(くにのとこたちのかみ)
(二)豊雲野神(とよくもののかみ)

国之常立神は、五番目の天之常立神の「天」が「国」に変わっているだけです。
ですからこの神の解釈も「天」が「国」に変わっただけで、「国」の根元とか永続性の神格化ということになります。

「国」が大地全体を意味するのか「国土」部分だけを意味するのかはっきりしていないのですが、天之常立神は「別天つ神」とし、国之常立神はその仲間としていないという扱いの差から考えますと、全ての「大地」の神というよりは「非高天原=国つ神の地」の神ということで、格下扱いにしたのではないでしょうか。

次の豊雲野神は、字面からは大地を覆う原野とその上に広がる空の神格化と考えられますが、はっきりしません。

扱いから考えれば、高天原のことではないようです。

…つづく

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