天照大御神(あまてらすおおみかみ)
スサノヲのところで述べましたが、古事記ではスサノヲの姉であり高天原族のトップという位置づけで、天皇家・出雲国造家の祖です。古事記に、高天原がどこであるかの説明はありませんので、高天原族の本来支配地は不明です。
古事記上巻の国譲りのあと、物語はいきなり天孫降臨になります。その降臨の地が高千穂ですが、この高千穂は宮崎県の北と南に二カ所あります。
そのどちらが本物であるかということより重要なのは、古事記中巻の冒頭でイワレヒコ(神武天皇)が「どこを拠点として政治をすべきか?東方に都の地を探そう」と「日向(ひむか)」から出発して「筑紫」に行った、と書かれている部分です。
天孫のスタート地点は、「大隅」でも「豊後」でもない「日向」なのです。
これは天孫族=高天原族の出身地を示しているのではないでしょうか。
国譲りは侵略ですから、出雲を舞台にするしかありません。しかし勝者である高天原族ですから、天孫降臨は今後の展開に都合のいい場所ならどこでもよかったはずです。極端なことを言えば奈良でもよかったのではないでしょうか。
それを「高千穂」としたのは、自らの本来地を記録しておきたかったからではないでしょうか。
以上により、アマテラス=高天原族の出身地は「日向」と考え、『古事記外伝―イズモ・クロニクル―』では彼女を日向の族長の娘テルヒと設定しました。
呼び覚ませ、熱き魂!これぞ日本の原点!!
山陰の地に今も残る古事記の舞台。現地を訪ね歩き、古老が語る伝承を丹念に拾い集めて紡ぎ出された壮大なストーリー。
憂国の現代日本に一石を投じる、古事記おじさん渾身の一冊!
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