古事記おじさんの『21世紀の視点で古事記を読む』【70】

―「神話部分」を読む ― 天照大神と須佐之男命 ⑮ 五穀の起源 – 3 –

故所殺神於身生物者。
(かれ殺さえたまへる神の、身に なれるものは。)

殺された神の身体から生じたものは、

於頭生於二目生稲種。
(かしらに かひこなり、ふたつの目に いなだねなり。)

頭に蚕が生まれ、両目に稲の種が生まれ、

稲種=このあと紹介される五品の中で、ここだけに「種」を使っている。
その理由は、他は「実」の名称だが稲は茎の上の穂に付いている状態の名であって「実」ではないからだ。

於二耳生粟於鼻生小豆。
(ふたつの耳に あはなり、鼻に あずきなり。)

両耳に粟が生まれ、鼻に小豆が生まれ、

於陰生麦於尻生大豆。
(ほとに 麦なり、尻に まめなりき。)

陰部に麦が生まれ、尻に大豆が生まれた。

以上六品の中で、食物の五品は全て穴から生えている。蚕だけは穴ではないところに生まれることは理由がある。又(穴である)口から生まれたものが無いのも理由があってのことである。

理由については述べていません。

故是神産巣日御祖命
(かれここに、かみむすび みおやのみこと。)

そこでカムムスビの神は、

御祖命(みおやのみこと)=産霊(むすび)の御徳(みいさを)によることの尊称

令取玆成種。
(これを取らしめて、種と なしたまひき。)

これらを刈り取らせて(五穀の)種とした。

・・・つづく

※注:
青字 … 本居宣長『古事記伝』より
赤字 … 古事記おじさんの見解です。

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