「古事記」って、なぁに?
「古事記」とは、日本でいちばんはじめに書かれた歴史書だそうです。
今からおよそ1300年前、712年にできあがったとされています。
上中下の三巻からなっていて、上巻(かみつまき)が「神話」の部分です。
中と下は、歴代天皇の履歴書みたいなものです。
では「神話」って何なんでしょうか?
私は、むかしむかしの偉い神さまのお話かなと思うのですが・・・
でも古事記を読んでみると、何だか神さまらしくないのです。
何でも知っていて、何でもできちゃう、すごい人は一人もいません。
私たちと変わらない人たちばかりなのです。
そこでよくよく考えてみました。
分かった!
古事記の神さまは、私たちの祖先のことなんですよ・・・きっと。
日本は石ころにでも何にでも、神さまが宿る国だし。
古事記は、地球誕生から始まって、いきなり最初の神さまが現れます。
そして次々に神さまが現れ、最後に、イザナギ(男)とイザナミ(女)が現れます。
この二人が、日本の島々を創ったと書いてあります。
二人は出来たばかりの島に降りて、史上初の結婚をします。
イザナギ 「君の身体ってどうなってるの?」
イザナミ 「ちゃんとなってる。でも一か所欠けてるんだよね。」
イザナギ 「俺の身体もちゃんとなってるけど、一か所余っててさ。
俺の余ったとこを、君の欠けてるとこにさしこんで
国土を生み出すのってどう?」
イザナミ 「いいんじゃない。」
と、こんなやり取り(プロポーズ?)があって、二人は結ばれ、国土(島)をどんどん生んでいきました。
国を生み終わると、今度は神をどんどん生んでいきました。
いろんな神をたくさん生みましたが、イザナミは、火の神を生んだことで陰部が焼け、具合が悪くなって寝込み、ついには亡くなってしまうのです。
イザナミは、出雲国(いずものくに)と伯耆国(ほうきのくに)の境にある比婆(ひば)の山に葬られました。
悲しんだイザナギは火の神の頸(くび)を切って殺してしまいました。
独りになったイザナギ、やっぱりイザナミが恋しくて、死者の国である黄泉国(よみのくに)へとイザナミを追ってやってきます。
「まだ国作りが終わっていない、現世へ帰ろう。」
とイザナギが言うと、
「黄泉国の食べ物を食べてしまったので、黄泉国の神と相談してみます。
その間、私の姿を見てはいけませんよ。」
とイザナミが答えました。
ところがいつまで待ってもイザナミは出てきません。
待ちきれなくなったイザナギは、「見るな」と言われていたのに、約束を破って中へ入り、イザナミの姿を見てしまったのです!!
ぎゃあああああぁぁ!!!
とイザナギが叫んだかどうかわかりませんが、うじ虫や雷神(らいじん)たちにたかられるイザナミ、何とも恐ろしい姿だったようです。
恐れおののいて逃げ出すイザナギ。
一方イザナミは「私に恥をかかせた」と怒り、黄泉国の大軍で追いかけます。
そりゃ、怒りますよね。
見るなって言ってるのに見やがって、おまけに逃げ出すなんて。
黄泉国の大軍勢と戦いながら、逃げて逃げて、イザナギはようやく黄泉国の出口「黄泉比良坂(よもつひらさか)」にたどり着きました。
現世と黄泉国の境が黄泉比良坂で、そこは出雲国の伊賦夜坂(いふやさか)だと書いてあります。
はい、その黄泉比良坂がココです。
黄泉比良坂(よもつひらさか)
島根県八束郡東出雲町
ちょっと不気味な雰囲気の漂う場所。
奥に見えるのは、黄泉の坂を塞いだという千引の石。
※駐車場あり。
そして一般的に伊賦夜坂は、揖夜(いや)神社だと解釈されているそうです。
揖夜神社の古い名前が、伊布夜社(いふやのやしろ)というからだそうです。
揖夜(いや)神社
島根県八束郡東出雲町大字揖屋町229
tel 0852-52-6888
黄泉比良坂と揖夜神社の間は、直線距離にして約700メートル。
揖夜神社の宮司さんに、「ここは伊賦夜坂ですか?」と尋ねてみました。
宮司さんは、「ちがう。伊賦夜坂は黄泉比良坂だ。」とおっしゃっていました。
どちらが本当の伊賦夜坂なのか、両方を合わせたエリアが伊賦夜坂なのか、わかりませんが、ちゃんと現場があるんですねえ。
ここで二人は、「アタシはこれから一日千人殺してやるー」、「じゃあオイラは一日千五百人産ませてやるー」と言い合って、お別れしたのだそうです。なんだか、あっけないですね。
【特集】古事記入門編「古事記って、なぁに?」
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